HASSELBLAD オールドカメラ・レンズ

ハッセルブラッド 500シリーズにCFVⅡ50Cデジタルバックという選択

HASSELBLADといえば、往年の500シリーズというイメージを持っている方がほとんどだと思う。フィルムカメラ全盛時代、ハッセルブラッドはライカに次いでかなり高価なカメラでした。

私もphotographerとしてさまざまなカメラを使用していましたが、ハッセルブラッドはなかなか手が出せず。それが今、フィルム時代のハッセルボディが当時より安価で手に入る時代になっています。

なにしろCFVⅡ50Cという5000万画素のデジタルバックは発売されてから、往年の500シリーズのボディとハッセルレンズがデジタルカメラとして使えるんだから、ハッセル好きには本当にたまらない時代の幕開けに。

 

500シリーズボディの種類(製造順)

ハッセルブラッド 503cx

上記は私が所有している503CX。シルバーラインがトキメキます。銀鏡胴のCレンズと組み合わせるとメタル感が際立ってたまりません。以下、ざっくりとハッセルのフィルムボディ500シリーズの種類を時系列(製造順)にまとめました。

500C(1957~1970)
最初の500シリーズ。

500C/M(1970~1989)
フォーカシングスクリーンが自分で交換できるようになった。

503CX(1988~1994)
フォーカシングスクリーンにアキュートマットが標準装備。

503CXi(1994~1996)
巻き上げクランクにワインダーが装着可能に。

503CW(1996~2013)
さらに明るいアキュートマットDが標準で装備。

501C(1994~1997)
ブラックボディのみ製造されている。

501CM(1997~2004)
最終モデルで、大型ミラー・アキュートマットDを標準で装備。

ちなみに私が保有しているボディは503CX・501C(ブラックボディ)の2台。1台だと仕事に影響するため2台保有していますが、どちらも差は感じません。同じレンズが使用できるし、デジタルバックも問題なく使えます(501Cは新しいボディなので入手するのに結構大変でした)。

 

500シリーズを快適に使うための必須アイテム(視度補正レンズ)

ハッセル500シリーズは最終系の501CMでも2004年に生産終了していますが、最終系はなかなか中古市場に出回りません。もしかしたら数が少ないのかも。そのため、手に入るのは使い込まれた往年の古いボディになってきます。

私が初めてヤフオクで購入したのが(ヤフオクが一番数が多い)503CXiとPlaner C80mm f2.8のセットですが、届いたハッセルを箱から取り出し、意気揚々とファインダーを覗いた瞬間に「ん?」という違和感。ピントが非常に合わせづらい・・・。かなりしんどい。しびれるくらい合いません。

CFVⅡ50Cを取り付けデジタルで撮影画像を確認してみましたが、やはりピントが甘い。そもそもピントの山が非常に見えづらい。昔覗いたハッセルのイメージはもっとクリアだった気がするが、どうしてなのだろう・・・。

そして気がつきました。ウエストレベルファインダーに装着しているレンズ(ルーペ)の視度が合っていなかったのです。付属していたピントレンズは+-0。つまり補正のない標準なもの。

なので慌ててヤフオクで探すことに。調べてみたら近視用の視度補正レンズには以下が存在しました。

ウエストレベルファインダー用 視度補正レンズの種類(近視用)

  • +-0(標準のピントレンズ)
  • -1(ちょっと標準では見づらい方用)
  • -2(なかなか近視の方用)
  • -3(かなり近視の方用)
  • -4(最も近視の方用)

結局、-2・-3・-4の視度補正レンズをなんとか購入し、自分に合うのは-3だと分かりました。これを確かめるだけでもなかなかの時間とお金を要した記憶が。なにしろなかなか数が出回っていないんです。

もし近視の方がいたら、ハッセル500シリーズを購入する際はぜひファインダーのピントレンズを確認してみてほしい。ピントレンズの金属部分に数字(写真の例:-4)表記してあるのですぐわかります。何も表記がないのが「+-0」。つまり視力が標準の方用です。

ちなみに私はメガネをかけた状態の視力が「1.2」でピントレンズは「-3」がベストでした。-4だと逆にピントが合わせづらい感じでした。補正差はけっこう大きいと思います。

 

500シリーズを快適に使うための必須アイテム(アキュートマット)

ハッセルブラッド フォカーシングスクリーン交換方法

さらにもうひとつ。劇的にピントが見やすくなる必須アイテムがフォカーシングスクリーン。いろいろと出回っているので自分に合ったものをチョイスする必要がありますが、これが合わないと暗い場所ではほとんどピントが合いません。

屋外なら通常のスクリーンで問題ないかもしれませんが、スタジオでストロボを使用して撮影する場合は、暗いスクリーンだとかなりしんどい。

購入したボディに付いているスクリーンが暗かったら、ぜひアキュートマットスクリーンを購入することをおすすめします。私が所有しているのは「アキュートマット」で、さらに明るい「アキュートマットD」というものもあるようです。

人によっては明るすぎて逆に見づらいという声もあるようなので、こればかりは数種類試してみないとわからないかも。

 

フォーカシングスクリーンの交換方法はこちら

 

500シリーズの盲点と魅力(まとめ)

ハッセルブラッド 503cx

今回、ハッセルの500シリーズを購入して、初めて分かった盲点が。それは、見やすく快適なデジタルカメラに慣れている我々にとって、想像以上にピント合わせが大変だという事実です。

さらにハッセルブラッドは中判カメラ。35mmカメラに比べて格段に被写界深度(ボケ具合)も広い。つまりピントがエラいシビアということ。

ただ、それに代わるぐらいの喜びもあります。巻き上げクランクを巻く時の感覚、シャッターを押した時のバフっというあの音、フィルムカメラ独特の匂い、そしてなんと言っても上から覗く撮影スタイル。ハッセルレンズから出てくるしっとり色っぽい階調。挙げたらキリがない…。

なにしろ今ならそのボディが、レンズが、デジタルバックで蘇るのだからたまらんです。久しぶりにワクワクするカメラを手にしている恍惚感があります。

 

 

  • この記事を書いた人

iecamera

仙台市在住のphotographer/動画creator。企業広告からフード・建築・モデル・車の撮影までオールジャンルで活動。 WORKSはphotographerサイトへ。

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